皆さん、教科書をめくった際には色々な専門用語が多く出てくる人工呼吸器ですが、その中でも”換気モード”と”換気様式”なる言葉を見たことはないでしょうか。
「ちょっと待って。この二つって違うの!?」と筆者は昔思いました。
とても頭が混乱したのを今でもしっかり覚えています(皆がみんなそうとも思いませんが・・・)
そこで今回は、この日本語の違いと中身についての概論を説明していこうと思います。
日本語としての違い
そもそもの歴史として、日本語と英語(カタカナ)が入り混じっているのがややこしい。と筆者は考えました。
なら統一してやれ!!
なので日本語訳と英語にしてみました。
換気モード(法)=ventilation mode
換気様式=ventilation style
どちらもGoogle翻訳先生のおかげです(正式に辞書を引いた場合にはmode:様式もあるようです)。
ただ、慣れている方にとっては「はぁ?」かもしれません。
これはあくまで1方策と考えていただければ幸いです。
どれが覚えやすいかは”あなた次第”です!!
換気モード(ventilation mode)には具体的に何がある?
換気モードとは、具体的には”どのタイミングでガスを送るか”を決める大項目になります。
つまり、患者の自発呼吸の有無によるというわけです。
これを決めなければ、人工呼吸器は動けません。
主なモードとしてはA/C(CMV),SIMV(+PSV),CPAP(+PSV)の3つが存在します。
A/C(CMV) : 補助/調節換気
自発呼吸が無い/もしくは限りなく弱い状態に適応があります。
SIMV(+PSV) : 同期式間歇的強制換気(+圧補助換気)
自発呼吸はそこそこに、呼吸筋の補助もしながら強制換気も少し行うような病態に適応があります。
※諸外国ではSIMVは使わない事が増えています。詳細は別記事にて。
CPAP(+PSV) ※BIPAP(+PSV):持続的気道内圧陽圧(+圧補助換気)
換気は自発呼吸のみ。強制換気は一切行わない。その為、しっかりとした吸気努力が必要となります。
但し、吸気努力だけではしんどいので、圧補助換気(Puressure Support Ventilation)が付加されまる。
CPAPは高圧相と低圧相の2つを設定項目とするため、”二相性陽圧換気(Biphasic Positive Airway Pressure)”という呼び方もします。
基本的には抜管前のモードとなります。
また、CPAPの変法として気道内圧開放換気(Airway Pressure Release Ventilation : APRV)が存在します。
気道内圧開放換気(Airway Pressure Release Ventilation : APRV)
CPAPは二相性の圧換気を行います。高圧相の吸気時間は基本的には1秒前後でしょう。その分、低圧相が長くとられます。
例)換気回数12回/分、吸気時間1秒の設定では、1呼吸に5秒。高圧相は1秒に対して低圧(呼気)相は4秒となります。
これに対し、APRVはこの逆で高圧相を長く、低圧相を1秒程度と短くとる換気モードです。
ここでは概論としての説明に留めますので、各モードについては別の機会に説明することにします。
換気様式(ventilation style)とは
換気様式の様式とはstyle=スタイルの事です(Google先生談)。
つまり、人で言えば背が”高い””低い”、体型が”細い””太い”などのことです。
人工呼吸器にも、同じ様にガスを”どう送るか(送ってるように見せるか)”を決めてやる必要があります。
大きくは2つあり、従圧換気:PCV,従量換気:VCV があります。
従圧換気:PCV(Puressure Control Vantilation)
従”圧”式換気とある通り、一回換気に際し、最高気道内圧(Peak Inspiratory Pressure : PIP)を決めて行う換気スタイル。
従量換気:VCV(Volume Control Vantiration)
従”量”式換気とある通り、一回換気に際し、一回換気量(Tidal Volume : TV)を決めて行う換気スタイル。
ここでも説明は名称に留め、各論で説明を行いたいと思います。
あとがき
以上、筆者はつまづき、初学者にとっても取っつきにくい言葉だったのではないでしょうか。
もしこれでもわからない!!
などあれば、お問い合わせよりお願いします!
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