どうも!
今回は告示研修を受けての感想と、その展望について書いていこうと思います。
追加される業務とは?
そもそもなぜ業務が追加されるのか?を理解しなければ今回の研修はもしかしたら意味を為さないかもしれません。
2017年より、医師の働き方改革検討会が立ち上がり、どの部分が問題なのか?どう改善(業務移譲)できるのか?が議論として挙がりました。
その中で臨床工学技士の業務として追加になった範囲は
- 静脈路の確保
- 静脈路からの抜針・止血
- 静脈路からの薬剤投与
【1】手術室又は集中治療室で生命維持管理装置*1を用いて行法律 静脈路の抜針・止血法律 静脈路からの薬液投与政令 動脈表在化の穿刺法律 心・血管カテの電気的負荷う治療における静脈路への輸液ポンプ又はシリンジポンプの接続*2、薬剤を投与するための当該輸液ポンプ又は当該シリンジポンプの操作並びに当該薬剤の投与が終了した後の抜針及び止血
- 動脈表在化の穿刺
【2】血液浄化装置の穿刺針その他の先端部の動脈表在化*2及び静脈への接続又は動脈表在化及び静脈からの除去※従来のシャントへの接続・シャントからの除去に追加
- 心・血管カテーテルの電気的負荷
【3】生命維持管理装置を用いて行う心臓又は血管に係るカテーテル治療における身体に電気的刺激を負荷するための装置の操作
- 鏡視下手術のカメラの保持・操作
【4】手術室で生命維持管理装置を用いて行う鏡視下手術における体内に挿入されている内視鏡用ビデオカメラの保持及び手術野に対する視野を確保するための当該内視鏡用ビデオカメラの操作
以上手技6つと解釈4つです。
*1:生命維持管理装置:ここでは人工呼吸器、高気圧治療装置、人工心肺装置、補助循環装置、血液浄化装置、全身麻酔装置を想定
*2 接続:ここでは静脈路の確保を含む
*3 動脈表在化への穿刺:動脈表在化(通常上腕動脈を皮下に挙上した動脈) への穿刺に動脈直接穿刺は含まない
まだまだ施設による解釈がばらばらで心許ない部分があるのが正直なところではありますが、始まったものは仕方ないのかな、と思っています。
以下では、各研修日に何を行ったのかを日記形式ですが書いていこうと思います。
研修の形式
会場では、一緒に参加している技士の方と、二人一組で実技研修を行うことになります。
二人一組で行う事で、内視鏡の手技確認、清潔のガウンの着脱を行うことになります。
研修一日目
一日目は
- 手術室での清潔操作
- 鏡視下手術に必要な原理、名称とカメラの操作
上記2つに関しての実技でした。
カメラの操作は、さすがにしたことのない業務という事もあり、色々と手こずることが多かったのが印象的でした。
ただ、手術室での清潔操作に関しては基本のキということもあり、スムーズに行うことが出来ました。いつも外回りでは着せる方に回っているのもありますが、若干の直接介助業務も経験があるため、特に苦労することもなく、スムーズに進めることが出来ました。
ただ、透析クリニックや透析病院でしか勤務経験のない技士の方だと少し練習が必要かもしれません。
事実、相方として実習をしていた方は透析病院出身ということで、ガウンの着用には結構苦戦している様子でした。
研修二日目
二日目は
- 静脈路からの薬液投与
- 静脈路への穿刺方法
- 動脈表在化への穿刺方法
- 心・血管カテーテルへの電気的負荷の説明
上記4つの業務にかんしての実技研修と最後は座学オンリーで終わりを告げました。
自分は大阪会場での研修だったのですが、大阪と東京都を繋ぐハイブリッド研修には少し驚きました。
アブレーションの座学に関しては、実施している施設はごく少数ということもあり、大半の方は残念ながら無関係な座学となってしまいます。
また、内容も事前のe-Lerningと同じなので、正直若干暇に感じてしまうかもしれません。
修了書の受け取り
まず終了時にピンバッジを授与されます。
これであたなも追加業務OK!!って感じです。
数日後には、ネット上で修了書(仮)のダウンロードが行えるようになります。
そして待つことに2ヶ月。
ようやく正式な修了書が届きました。
一応原本照合の為、職場に一時預かりをお願いし、後日返却。という運びとしました(自分の身を守るためです)。
原本照合もしていないのに追加業務を行って、それで訴えられた場合には目も当てられませんからね。自分の身を守るためには必要なことなのかもしれません。
今後の活用について
筆者の施設には集中治療室(以下、ICU)が制度上存在しません(なんちゃってICUがあります)。
その為、静脈路の確保は出来ないのでは???という疑問がりました。
なので、告示研修事務局へ問い合わせました。
問い合わせ内容は
「第31条の2 法第37条第1項の厚生労働省令で定める医療用の装置の操作」という文言で、実施場所が「手術室又は集中治療室」という文言になっています。
当院ではICUを開設しておらず、また、加算が取れない病床をCCUと呼称して運営しています。この場合、文言の集中治療室が加算が取れる正式な集中治療室もしくはそれに準ずる病床を指すのでしょうか。もし当院のような施設では追加業務を実施できないのであれば、その旨を周知していただければと思います。
法解釈としてどうなるのか、お答えいただければ幸いです。
宜しくお願い致します。
というものです。
折角研修を受けても、活用できる場が無ければ意味がありません。
そして回答が以下になります。
手術室あるいは集中治療室としての機能を有していることが重要です。
院内での名称や診療報酬の算定とは関係がございません。当該設備が一般的に集中治療室に求められる機能を有しているか否か、
臨床工学技士の業務範囲追加に伴う厚生労働大臣指定による研修 受講者問合せ事務局 より
貴院で、話し合いをされる場を持たれてはいかがでしょうか。
当院でも、話し合いを行えば可能という結論かもしれません(もっとも、上司が告示研修を受けておらず、理解もしていないので難しいですが・・・)。
この辺りは、上司に上申の上で、病院として話し合ってもらうべきなのかもしれませんね。
これから僕ら臨床工学技士の活躍の場はさらに広がるかもしれません。
まずはその第一歩ということで、、皆さん共に頑張りましょう!!
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