透析における栄養指標~%CGR~

栄養関係

 

 さて、透析の栄養指標シリーズ第2弾は%CGR(パーセントシージーアール)になります。

 といっても、栄養の指標としてはマイナーな部類に入ります。

 どちらかといえばGNRIの方がメジャーなのではないでしょうか。

 とはいえ、nPCRと相関があり、ある程度の互換性がある指標としては優秀ではないかと思っています。

 ささ、では行きましょう。栄養の世界へようこそ。

%CGRとは?

 さて、いきなり%CGRとか言われてもなんのこっちゃ?となりますよね。

 では%CGRとは何なのか?ですが、正式名称を

Creatinine Generation Rate corrected by sex and age

 といいます。

日本語としては、%クレアチニン産生速度と呼びます(まぁ普通にパーセントシージーアールって呼んでますけどね)。

何を表しているのか?

 さて、日本語でも書いたように%CGRはクレアチニンの産生速度を表します。

 ではクレアチニンとは何なのか?となりますが、クレアチニンは要するに運動をした後に血中に出てくるゴミです。

  運動をした後に出てくるという事は、筋肉を使う事と同義なので、筋肉量に比例した数値が現れることになります。

  %で表されるので、これは年齢ごとの筋肉量を表すこととなります。

基準値は?

 先にも述べましたが、%CGRは年齢ごとの筋肉量を示すので、100%でその年齢の筋肉量という事になります。

 数値が低いほど筋肉量は少ないですし、多ければマッチョ…とは言いませんが、十分量の筋肉があると言えるでしょう。

 なので、基準値は以下の様に言われています。

正常値:90~100%

上限値:特になし

下限値:≦90%

 これには性差があり、筋肉質である男性の方が若干高く出るという特性があります。

 横紋筋融解症等の患者ではクレアチニンが非常に高く出る。なんてこともありますので、注意が必要です。

%CGRの求め方

 さて、やって来ました計算式の話題です。数字が出るということは、それを求める式があるということですから、まぁ無下には出来ません。

 ただですね、これ、計算式が非常にややこしい。

 根拠を説明しろ。と言われてもちょっと出来ないんですよね。なんせ係数が多すぎて。

 変数もまぁ多い事。よくこんな式考えたな~・・・と感服します。まぁ数学とはそういうものなのでしょう。

では行きましょう。

まず男性の%CGRを求める式は

$$ %CGR=\frac{Gint}{23.53-0.15y} \times 100$$

 女性の%CGRを求める式は

$$ %CGR=\frac{Gint}{19.58-0.12y} \times 100$$

 となります。ここでGint : 内因性クレアチニン産生速度を表します。

 で、次にこのGintを求める式ですが、

$$Gint = Gtotal-Gext$$

 Gtotalは総クレアチニン産生速度、Gextは外因性クレアチニン産生速度となります。

 では次に、GtotalとGextを求める式を書いていきます。

 経口的に摂取したクレアチニン産生量(Gext)を求めるには

$$Gext=7.79nPCR \times nPCR-7.91nPCR+1.93$$

 となります。ここで前回説明したnPCRが出てくる訳ですが、詳細は別記事をご参照下さい。

 総クレアチニン産生速度(Gtotal)を求めるには

$$Gtotal = Cs\{\frac{7056}{A}+\frac{\Delta BW}{BW} \times \frac{240}{72-Td}\}$$

 さて、これでGtotalとGextが求まった訳ですが、まだ未知数がありますよね。ΔBWは総除水量(kg)です。なので、単純に透析前BW-透析後BWとなります。残る未知数はAとCsです。Aについては特に説明がありません。Csは透析前クレアチニン濃度です。で、Aについて求める訳ですが、

$$A=3864+(7.8 \times Td +411)\times \ln (\frac{Cr}{Cs})-1.5 \times Td-$$

$$\frac{1449}{\{ (0.019 \times Td+0.999)\times \ln \frac{Cr}{Cs}-(0.00367 \times Td-0.0219)\}}$$

 となります。ここまでで数度出ているTdですが、これは透析時間(h)です。

 最後には、透析終了後の血清クレアチニン濃度(Cr)を求めます。

$$Cr=\{-81.622 \times \frac{\ln\frac{Ce}{Cs}}{60Td}+0.942\}Ce$$

 以上で%CGR:クレアチニン産生速度の求め方は終わりです。

評価によって何がどうなるか

 以下の図は%CGRが100%とした時の相対危険度を示した図になります。

 筋肉があるということは、それだけで予後が良い。逆にないということは、フレイル・サルコペニアの誘因となり、やはり予後の悪化規定因子となってしまうのでしょう2)3)。これを見ればわかる通り、70%を下回ればその相対危険度は4.7倍にまで跳ね上がってしまいます。

 この為、透析患者に対する運動療法が推奨され、診療報酬が付いたわけです。

 何もこれは透析患者に限った話ではなく、やはり、高齢者に運動は必要だ。という話になる訳です。

あとがき

 さて、今回も臨床工学技士目線ではありましたが、数式沢山、けど解釈も沢山でお送りして参りました透析栄養シリーズ第2弾でした。

 栄養シリーズも残すところはあと一つとなったわかですが、どこまで読み手に伝わるように解説出来るでしょうか。

 今回の記事も分かりづらい所がありましたら、是非ともコメントいただければと思います。

 それではまた会いましょう!!

 さらば!!

1)ShinzatoT,NakaiS,MiwaM, et al . New method to calculate creatinine generation rate using pre-and post dialysis creatinine concentrations. Artif Organs 1997;21:864-72.

2)鈴木 一之 , 井関 邦敏 , 中井 滋 , 木全 直樹 , 森田 治 , 伊丹 儀友 , 椿原 美治 ; 透析条件・透析量と生命予後ー患者背景別の検討ー ;透析会誌45(2):143~155 , 2012

3)両国東口クリニック;適正透析1

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