さて、ちょっと変わったタイトルではありますが、今回は個人機でのオンラインHDF実施の是非、というか可否について話題にしたいと思います。
まぁこれもうちの職場の愚痴シリーズです。
今回の記事関しては、前置きだらだら書いちゃうとつまらないのでささっと本題へ参りましょう。
ではOnline-HDFの世界へようこそ。
時を遡ること入職して数か月後・・・
さて、まぁ職場にもどうやらこのブロブはばれている?ようなので、まぁ淡々と書いていきましょう。
入職した当時は、まだ透析室の状況や動き方を把握するのに必死でした。
で、少し落ちついた4~5カ月目頃だったでしょうか。
ふと思ったんですね。なんでうちの個人機はHDしかしないんだ?と。
うちの個人機は、日機装のDBB-100NXです。なのでOHDFも実施可能な機種になります。
なのにOHDFはやらない。それには理由がありました。
水質をクリアしていない!?!?
弊社の個人機における水質検査の採取場所は、一つはコンソール入り口です。そしてもう一つが補液ラインポートです。
生菌・エンドトキシン(以下、ET)の合格ラインは、勿論超純水透析液に倣います。
水質管理の基準値に関しては、下記の記事をご参照ください。
さて、この章のタイトルにもある通り、実は驚きの水質検査結果が毎検査ごとに上がっていたんです。
透析装置内部の純化度を示す、補液ラインポートは生菌/ETともに超純水透析液、俗にいうウルトラピュアを担保していました。
しかし、個人機入口配管の水質に問題がありました。
毎回、ETが0.001EU/mlを上回って検出していたのです。
辛うじて生菌は出ていない状態ですが、この状況には正直驚きを隠せませんでした(筆者の経験上、個人機でも生菌/ETが出た施設は後にも先にもこの施設だけです)。
しかし、運用がおかしい
先の章でもお話した通り、弊社の個人機はETRF前でETを検出しているという理由で、Online-HDFを実施していません。
しなし、機種はDBB-100NX。そのプライミング機能には、D-FASによる自動プライミングが組み込まれています。
これがどういうことか?鋭い読者の方はお気付きでしょう。そう。透析液を使った自動プライミングを、弊社の個人機では行っているのです。
ここで大きな矛盾が発生していることにお気付きでしょうか。
水質基準をクリアしていないからOnline-HDFは実施しない。なのにプライミングは汚染されているかもしれない透析液を使った、自動プライミングだということです。
では正解は?
さて、この場合の正解の運用は何か?
DBB-100NXの回路図が思い浮かんでいる方には朝飯前かもしれませんが、正解は
「治療にもOnline-HDFを使用する」
になります。
根拠としては、補液ラインポートからは生菌/ETが検出されていない/未満だということです。
決してプライミングに透析液を使っているから。という訳ではありません。
問題は何か
弊社の個人機運用の問題点は何か?というお話です。
実は筆者がこの矛盾に気付く、入職数カ月後の時点まで、誰一人としてこの矛盾に気付いていませんでした。
イライラした筆者は、技士長へ一言「プライミングに透析液使ってる以上、普通にOHDFしたらどうですか?」と進言しました。その時になって初めて技士長は「へ?あ、ほんまやね。確かに出来るか~」と呑気に返事をしてきました。しかし、「どうせあと1年くらいでコンソール入れ替えるから、まぁそれまでこれでいいよ。」という返事でした。
このやり取りの何が問題か?読者の皆様は分かりますか?
弊社のスタッフは、技士長以下誰も頭を使って仕事をしていない。ということに問題があります。
筆者がこの問題点を指摘するまで、誰も個人機ではOHDFは出来ない。と思い込んでいました。しかし、プライミングには生理食塩液ではなく透析液を使って運用している。
もし患者が感染等を起こしたらどうするつもりだったのでしょうか?責任の所在は?原因解明はできたのか?恐らく無理だったでしょう。なんせ技士長でさえこの体たらくです。誰も気付きやしません。
弊社の無能体質
このブログや筆者のアカウントをご存知の方はお気付きかもしれませんが、弊社の透析室Kt/Vは、平均でも1.44 , 中央値で1.40(2024年8月現在)です。
Post-BUNは普通に20overの症例のオンパレード、Kt/V-shinzatoも1.0を切る症例がままあり、1.40に到達している症例は半分あるかどうかでしょう。血流量も、普通に200以上を回せる症例にもかからわず180mL/min止まりであったり、低ければ150で回している患者がいるくらいです。
アルブミン値が3.5以上あるにも拘らず、HDで治療していたり、Post-OHDFでも6L/Hの補液しかしていななどザラです。
透析掻痒症の症例に対しても、通常は60L/Session以上の補液が推奨されますが、上記の様に6L/Hしか補液をしていません。その癖、条件変更目的には「掻痒感の軽減を目的」と書いたりする体たらくです。そんなの、治療が奏功する訳がありません。筆者はこの症例に対し、条件を設定したのがたまたま筆者だったので、補液量を密かに15L/Hに設定ていました。しかし、ついに先日その条件がばれてしまい、6L/Hに戻されていました。しかも技士長によってです。
少し前にもツイートしていましたが、「上司が無知の場合の、患者へ与える害」は本当にしっかり考えなければなりません。
正直、筆者が入職する前より在籍していた前スタッフ(医師・看護師・臨床工学技士)は、この事態を引き起こした責任を取るべきだ。とも思っています。なぜあんなにも大きな顔が出来るのか。謎で仕方がありません。
あとがき
今回は職場の愚痴と皮肉たっぷりにお送りしました個人機の水質管理問題。
メーカーに聞くと、ちょいちょい個人機でも生菌が出る施設があり、中々OHDFに踏み切れない。という施設もあるとかないとか。
ただ、その解釈正しいですか?という事を今回は問うています。
仮にダイアライザカップリングと、補液ラインポートの2ヶ所という正しい採取箇所で取っていれば、恐らくOHDFは実施していたでしょう。筆者が留学(沖縄)時代には、そこら辺はしっかりしていたので、何の皮肉か、沖縄時代が一番臨床のレベルは高かったですね(まぁ戻りたいと思うかどうかは別ですが。いい施設ではありましたよ)。
さ、ここはあとがきなので、愚痴も程々にしておきましょう。
皆さんの施設では水質管理はしっかりされていますか?今一度見返してみてくださいね。
では今回はここらへんで。まったね~
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