経営者必見!!透析診療支援システムのお話!!part 2

血液浄化

 前回記事から随分と間が空いてしまいましたね。ご無沙汰しております。

 さて、透析診療支援システムに関しては、part 1をすでにご紹介しました。

 では今回は何を書くのか?今回はですね~、各メーカーや3rdパーティー製のシステムをご紹介したいと思います。

 いやー色々あるもんですね。システムだけで。

 少しでも皆さんのシステム選定の助けになればいいかな?と思いながらご紹介します。

 では行きましょう!透析診療支援システムの世界へようこそ!

まずは純正透析支援システムについて

 本邦で透析メーカーと言えば4大メーカーになりますよね。というわけで、勿論これらのメーカーも純正で透析支援システムを開発しています。純正システムは、基本的にはメーカー互換100%なので、全てのコンソール情報を引き出せ、かつ治療にも寄与します。なので、まずは純正透析支援システムの紹介をしましょう。

Future Net Web+®(日機装社製)

主な機能帳票作成
日機装社製コンソールへのデータ送信
血圧・機器の情報自動入力
体重計データの自動転送
透析記録の自動作成
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttps://www.nikkiso.co.jp/

 こちら、言わずと知れたNo.1シェアを誇る日機装の透析支援システム、通称FNWです。筆者も2施設でお世話になりました。

 電子カルテとの連携は可能と書きましたが、基本的に電子カルテとの連携性は良くありません。透析指示は電子カルテとFNWでの二重出しが基本となります。また、透析時のSOAPや特記事項も電カルへ転記することは出来ないようです(最新版では可能との噂も)。検査データ連携は可能なので、その部分は要カスタマイズですね。

 年末統計調査の支援システムはちゃんと組まれています。

MiracleDIMCS UX® EX®(東レ・メディカル社製)

主な機能帳票作成
東レ社製コンソールへのデータ送信
血圧・機器の情報自動入力
体重計データの自動転送
顔認証による入退室記録
透析記録の自動作成
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttps://www.toray-medical.com/index.html

 続いて日本シェアNo.2?の東レメディカルになります。これも筆者は2施設でお世話になりました。

 FNWと違い、電カルメーカーにもよるかもしれませんが、透析チャートのコメントも電子カルテへ転記が可能です。また、検査オーダーや処方オーダーも双方から可能(だったはず)。体重測定時に、「今日はレントゲンの日だよー」「今日は採血だからねー」と体重計連携PCに表示されるのはいいですね。

 こちらも年末統計調査支援システムはサポートされています。

DiaCom®(ニプロ社製)-iP , -iN , -iS

主な機能ニプロ社製コンソールとの、多彩な連携やオプションを用意。医師指示運用、器材準備や、透析記録の作成まで幅広く透析業務をサポートするシステム(-iP)
大規模病院やグループ病院など独自のカスタマイズ対応が必要な施設様に最適なシステム(-iS)
透析装置への条件転送が目的の簡易システム。透析記録や医療機器・薬剤準備表は事前に印刷し、記録紙に直接記入での運用が可能(-iN)
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttps://med.nipro.co.jp/med_eq_category_detail?id=a1U1000000b52zwEAA&name=DiaCom%C2%AE

 こちらは輸液・シリンジポンプでもお馴染みのニプロ®の透析支援システムです。筆者は使ったことがありません。

 今回執筆するにあたって、初めて3製品もラインアップしている事を知りました(前の職場ではそんな説明無かった)。メーカー純正ですし、ニプロコンソールなら出来ない事はない…と思いたいですね。

ERGOTRI®-HT(JMS社製)

主な機能JMS社製コンソール、及び電子カルテ:MIRAIsとの連携が密に可能
帳票作成
体重計データの自動送信
透析記録の自動作成
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttps://medical.jms.cc/products/detail.html?m=ProductsDetail&itemid=294&tp=8

 こちらもシェアは少ないながらも奮闘するJMSの透析支援システムです。

 なんとこのシステム、MIRAIsとの連携がとても強い。というのも、元MIRAIs開発者が社内開発チームの責任者を務めているのです。その為、CSIとの連携はめっぽう強いです。その他の電カルメーカーとも連携は可能なのでしょうが、そこら辺は要相談。

 JMSのコンソール自体は面白いと思うので、JMS導入の際は是非ともセットで入れたいシステムですね。

3rdパーティー製透析支援システムの紹介

 ここからは非純正の透析支援システムのご紹介。

 非純正ではありますが、通信するための項目などは「血液透析装置に関する通信共通プロトコル Ver. 4.0」で宣言されているため、各社ver3.0 および4.0に準拠する形でシステムを構築し、コンソールとの連携を可能にしています。

dottoHD(トップオフィスシステム株式会社)

主な機能患者管理のデータ化
至適透析の診える化
フットケア機能
災害対策対応
電子カルテとの連携機能不可
公式HPhttps://dottohd.com/

 言わずと知れたdottoHDです。これ、大阪の技士がFileMakerで自作したのが切っ掛けのシステムなのをご存知ですか?自施設で内製し、徐々に意見を取り込み、システムのPDCAを回した結果、製品化にこじつけた。という歴史があります。ムネアツです。

 但し、電カルとの連携は不可。HPには「そもそも電子カルテとの連携は不要だと考える」という一文があるので、まぁそういう考えの施設もあるんだなーという感じです。

Dr.HEMODY JASPER(グリーン情報システムズ株式会社)

主な機能各社コンソールとの連携が可能
帳票自動作成
各種患者データの参照
透析記録の電カル等への送信が可能
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttps://www.gis.or.jp/

 筆者が個人的に気になっている3rdパーティー製の透析支援システムです。

 出来ることの幅は大きそうですし、各社コンソールとの連携も密に行えるようなので、悪くはないのかなーと思っています。

 ただ、これはどのサードパーティー製にも言えるのですが、あまり特色がないのが悩みですね(UIの違いくらい)。

STEP(株式会社ノーザ)

主な機能通信共通ver4.0プロトコル準拠
体重計データのコンソール連携可能
モニタリング機能の充実
処置実施・データ入力
実施情報の電カルなどへの送信
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttps://www.nhosa.com/product/step/

 こちらは最新のプロトコルであるver4.0に準拠したシステムです。その為、コンソールとの連携項目も多く取得可能。各種部門システムとも連携可能ですし、透析中の実施処置やデータ入力にも対応しています。

透析Synapse(株式会社エムビーテック)

主な機能電子カルテやオーダリングシステムを内包した、All in one package型システム
コンソールとの連携は不明
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttps://www.mbtec.co.jp/product/hd.html

 こちらは透析に特化した支援システム…もとい電子カルテです。システムの中心を透析に置いているので、そこから派生して色々な部門システムと連携する感じで、そもそもこれ自体が電子カルテなので、電カル連携を考える必要がありません。

 ただ、サイトを見た感じ、各社コンソールとの連携は不明です。

Di-View(株式会社CSC)

主な機能各種システム連携
シャント・フットチェックシステム有り
透析条件設定
チャート作成
申し送り
検査履歴
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttps://creative-sc.jp/service/

 基本的に、業務はタブレットで完結するようなシステム構成になっているようです。これにより、医療従事者同士、また、患者への情報共有もスムーズに行くなどのメリットが発生するようです。

 今流行りのシャント・フットチェックにも力を入れているようですし、これっからのシステム拡充も見込んでいる為、将来性はありそうです。UIは個人的には好きな部類です。

e3透析(イーキューブ透析管理システム)(株式会社システムリサーチ)

主な機能透析患者に関するデータの一元管理
電子カルテとの連携で作成した透析記録票が全ての端末から参照可能
透析装置、体重計連携により、透析記録の作成業務を大幅に軽減
シャント履歴の管理が可能
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttps://www.sr-co.co.jp/products/e3_dialysis/

 こちらもシャント履歴の管理がシステム上で可能という優れもの。

 また、当然といえば当然ですが、電子カルテ連携による強力なペーパーレス化を推し進めることで、業務の大幅な改善も可能と謳っています。装置ー体重計ー電カル連携も行っており、隙は少なさそうなイメージですね。

cueing(株式会社トマーレ)

主な機能テレビ・インターネット・VODの利用が可能。又、装置画面情報をTVへ移すことも可能。
体重計連携あり
ラウンド用機能あり
コンソール連携可能
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttps://www.tomare.co.jp/

 こちら、少し風変りなシステムで、患者ベッドにあるTVにコンソールの情報を反映させて、患者にも情報を共有するという変わったシステムです。

 クリニックなどでは患者が終了時間や血圧を見たがる事も間々あるため、一々声を掛けられる手間が減ることを考えれば、いいシステムかもしれませんね。

ZERO HD(ゼロシステム株式会社)

主な機能データベース化による患者情報の一元管理
検査データ管理の強化
処方箋・検査依頼の一括作成
紹介状作成などもサポート
記録紙のペーパーレス化
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttp://zerosystem.jp/html/disa.html

 こちら、ちょっとUIは古臭いものの、逆に老舗感があっていいかもしれません。

 純正システムでは割と当たり前にある紹介状の作成もサポートしていますし、処方箋や検査依頼の一括作成もサイト上では他のシステムには見られない特徴としていい機能かも知れません。

i-MEDIC(株式会社レゾナ)

主な機能不明
電子カルテとの連携機能可能
公式HPhttps://www.imedic-plus.com/tokuchou.php#function

 こちらも電子カルテを軸とした、透析支援システムも内包したシステムになります。他にも病棟管理や看護支援システムなども乗っており、多彩なシステムを抱えています。ただ、その分イニシャルコストは高そうですね。

あとがき

 という訳で、今回は様々なメーカーの透析支援システムをご紹介しました。

 サードパーティー製の支援システムもこんなにあるんだな~とちょっとびっくりした回になりましたね。

 これらを導入するにあたり、各事業所は資金の捻出に頭を抱えることと思います。

 そこで、国が進める「IT導入補助金」の活用をオススメします。

 要望があればIT導入補助金についての記事も執筆しようかとは思うので、良ければコメントくださいな。

 さ、では今日はここらへんで。

 ばーいちゃ~

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