皆様おはこんばんちはなら!!
さてJACEも終わり、2025年の大イベントの一つも消化したところで、早速記事に取り掛かろうと思う次第です。
今回は前回執筆しましたTAC-BUNの続編として、実際に計算してみようシリーズをお届けしたいと思います。
皆さんはサイト上で計算できるようになるのと、Excelでまとめて計算のどちらがお好みですかね??
では行きましょう!!TAC-BUNの世界へようこそ!!
まずは復習
さて、まずは前回記事をご紹介。
前回記事では実に大量の数式と格闘しました。いやー難産でした…
で、結局のところはnPCRとKt/Vさえ判明していれば、TAC-BUNは算出可能という事でした。
なので、最終の数式は以下の通りです。
$$ TAC-BUN = \frac{10.8864nPCR-1.736}{Kt/V} \times 100 $$
詳細な説明は先の記事に譲るとしまして、計算上は上記の式にnPCRとKt/Vを代入さえすれば、TAC-BUNは算出可能ということです。
基準値は[mg/dL]ということで、最後には100倍をしています。
実際に計算してみよう for Excel
というわけで、実際に計算してみようのコーナー!!!
今回は実際に筆者が用いている透析検査sheetを使ってご紹介します!

上記の画像が筆者が実際に用いている検査データ解析sheet for Excelです。
A列には患者ID,B列には患者氏名が入り、以後上記画像の通りに並んでいます。
さて、上記のsheetでは、一括してnPCR、Kt/V、TAC-BUNを計算できるように処理しています。
最終計算列としてはL列にnPCR、M列にKt/V-2nd Daugridas、P列にTAC-BUNを表示しています。
TAC-BUNは計算過程が煩雑なため、筆者は分母と分子、最終の単位合わせの3列を使用して計算しています。

まずは分子から。尿素生産速度g/Vを求めます。
$$ \frac{g}{v} = \frac{nPCR-0.1595}{5.1425} = 0.1944nPCR-0.0310 ・・・(11b)$$
g/Vの式自体はこれです。そして、これを分子に代入した式が以下になります。
$$ g/V=10.080 \times (0.1944nPCR-0.0310)$$
この式をそのままExcelに入力します。但し、これは約分した後の式になります。なので、できるだけ素の式を使う事にします。関数としては以下の通りです。
=10.080*(L2-0.1595)/5.1425
これで尿素産生速度g/Vの計算は完了です。続いて分母の尿素除去速度k/vの算出です。
この式自体は下記の通りです。
$$ \frac{k}{v} = \frac{\frac{Kt}{V}}{t_{D}}・・・(12b)$$
この式をそのまま関数に落とし込みますが、気を付けなければならない点が一つ。それはtDは単位がminだということです。その為、関数は下記の様になります。

=180*透析時間*(Kt/V/透析時間*60)
そして最後にこの二つのセルを分数にして、単位合わせのために100倍します。

関数は上記画像の通りです。
=N2/O2*100
これで、単位は[mg/dL]となります。
実際に計算してみよう for サイト
お次はこのサイト上で計算してみようシリーズです。ピンポイントで計算したい患者が居る際にご利用ください。
その前に、nPCRもKt/Vも分からない!!という方の為に、手前味噌ですが、筆者が立てた記事で計算してみてくださいね。
あとがき
さて、今回は前回ご紹介したTAC-BUNを実際に計算する方法、及びサイト上で計算できる方法を提供しました。
しかし、この計算フォーム、恐らくですが実際より低く数値が出てしまいます。基準値内に達するにはどうすればいいのか?とちょっと頭を悩ませています。
ただ計算式上はこれで合っているので、ん~…と思案する次第です。
一先ずは公開しますが、ここおかしいんじゃね??という部分があれば、是非ご意見頂戴したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
では今回はこの辺で。
ばいちゃ~ノシ
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