読者の皆様に於かれましては、日頃の業務本当にお疲れ様です。
さて、今回は基礎中の基礎としまして、透析中監視項目であるTMPについての解説記事を書こうと思います。
皆様はTMPについてどれくらい理解し、そして活用しているでしょうか?
では参りましょう。TMPというマクロの世界へようこそ。
そもそもTMPって何?
透析コンソールにはありとあらゆる用語や情報が表示されています。
一つ一つが重要な治療のパラメータです。
私たち透析医療従事者は、それらパラメータを理解し、監視し、治療に用いています。
その中でも恐らく一番難解な用語が「TMP」ではないでしょうか。
ではTMPとは何でしょうか?
まずは正式名称から
TMPの正式名称は
“Trans Membrane Pressure“
と呼ばれているものです。
日本語名称は”膜間圧力差”と呼称します。1)
なにを観ているのか?
”膜間圧力差”と呼びますが、果たしてどこの何を観ているのでしょうか。
TMPは名称の通り、”膜と膜の間の圧力差”を観ています。
しかし、この説明だけではとても抽象的で、伝わりにくいですよね。

これはAIが生成した解説画像ですが、特に不自然な部分はないように生成しています。
画像にある通り、TMPとは”半透膜を挟んだ血液側と透析側の圧力差を表し、除水を進める力の目安”です。
半透膜とはつまり、”中空糸そのもの”であります。
中空糸の中側:血液側と、外側:透析液側ではそれどれ、血液側から透析液側に向かう陽圧と、透析液側から血液側へ向かう陽圧がぶつかり合っています。
そのぶつかりにおいて、血液側の方が除水やHDFによる限外濾過などがあり圧が大きくなります。
このように、TMPとは、中空糸の壁の内側と外側に掛かる圧力の差を表しているのです。
TMPの数字の意味は?
さて、TMPとは”中空糸の壁の内側と外側に掛かる圧力の差”という説明をしたばかりです。
では圧力が高いとどうなるのか?低ければどういう解釈になるのか?それをご説明します。
TMP正常(0~150mmHg)
TMPは除水や限外濾過が掛かっていない場合、ほぼ 0 mmHgで推移します。
また、限外濾過(HDF)が掛かっている場合、1sessionの透析でTMPは徐々に上昇していきます。
上昇し過ぎた場合の状況は先に譲るとしまして、TMP<150 mmHg を維持するようにするのが一般的ではないでしょうか。
適切なTMPは溶質の適切な除去に繋がり、患者への予後延長をもたらす可能性があります。
TMP高値(TMP>150 mmHg)
TMPは血液側から透析液側へ過大な圧力が掛かると上昇を始めます。
TMPが過大な場合、それはダイアライザー・ヘモダイアフィルター内の目詰まりや酷い場合は凝固を意味します。
TMPが上昇し、>150 mmHg となる場合には、血流量:Qbを上げる。もしくは補液量:Qfを下げるというのが対処法になります。
TMPが上昇すると、アルブミンバーストといわれる現象が確認されます。
これは、過剰にアルブミンが漏出してしまう状況であり、一昔前は「アルブミンが抜けるのは悪だ!!」と断罪していた時代もありました。
これは筆者の見解ではありますが、アルブミンバーストまでは起こさずとも、ある程度のアルブミンを漏出させることは必要ではないか?と考えています。



まぁ脱線はこのくらいにしまして。
TMPが過大な状況が持続することは避けるべき。というのがデファクトスタンダードです。
Take Home Message
- 中空糸の内側と外側の圧力の差である
- 通常のTMPは<150 mmHgが望ましい
- TMP>150 mmHgの場合は”補液:Qfを下げる、血流量:Qbを上げる”
- アルブミンバーストに気を付けて治療に当たる
あとがき
さてさて、今回は基礎中の基礎でもある監視項目:TMPについて解説させていただきました。
弊社もそうなんですが、TMP監視で治療に当たっている施設って少ないんですよね。
なので、いずれは上申の上でTMP監視に切り替えていきたいと思っていますが、その前に全体にTMPの考え方を周知させなければならないな~と考えています。これが難しいんですけどね。
さて、では今回もここら辺で失礼します。
ではまた次回!!
1)透析療法合同専門委員会 企画・編集;血液浄化療法ハンドブック2015;協同医学出版社


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