今回の記事は、主にこれまで10年~数十年かけて慢性腎臓病が進行し、主治医から「そろそろ(血液)透析の準備をしましょうか」と言われた患者さん向けです。
一昔二昔前まで、「透析をすると死ぬ」「透析は医者の金儲けのためだ!」「透析は金がかかる」等、ネガティブワード満載の医療でした。
しかし、時代は進み、現実は随分と変わりました。
この記事では、そんな今の透析事情や、透析とは何をするのか、そしてそもそも腎臓って体の中でどういう仕事をしているのか?という、基本に焦点を当てた記事にしようと思います。
ではようこそ、透析の世界へ。
現代の透析事情について

上のスライドは、我々血液透析に従事する医療従事者の学術的母団体となる「日本透析医学会:The Japanese Society for Dialysis Therapy (以後、JSDT)」が毎年年末に集計している「我が国の慢性透析療法の現況」のとあるスライドです。
これは、透析を受ける患者さんの年齢層を年代別に表したものです。
このスライドから分かるのは年代別年齢構成比です。
詳しく解説すると、透析により長生きするほど年齢は上がり、棒グラフの所属は右上になっていくわけです。
グラフの始まりである1982年に30代だった方は、生きていれば70代という大台に乗っています。
現実には1982年頃の日本の透析はまだまだ黎明期だったため、存命の可能性は低いですが、00年の80代の構成比と、23年末の80代構成比は何倍にも膨れ上がっています。
つまり、それだけ患者さんの生命予後(=寿命や余命)が延びたということです。
これはつまり、透析医療の質が向上していることを示します。
先にも書いたような「透析は死の医療」というイメージは当の昔であり、今は慢性腎臓病:Chronic Kidney Disease(以後、CKD)から透析導入した場合、緩徐に進行していく病気であるというわけです。
つまり、透析を受けている方が健康でいれる。とさえ言えてしまう訳ですね。
日本語としては矛盾していますが、現実としてはこのようになっています。
なので、これから透析をしなければならないと言われてしまった患者さんも、安心して我々透析医療従事者を頼って欲しいのです。
一先ず、透析医療の現状についてはこの辺でお終いにしたいと思います。
あとがき
私が運営するこのブログは、基本的には医療従事者に向けた理論の基礎や海外文献の紹介、実践に向けたテンプレの紹介をメインにしています。
しかし、たまには患者さんの方を向いて、患者さんの役にも立つ記事を書いてみるのもいいのでは?と思い、筆を執りました。
この記事が一人でも多く、これから透析をする患者やその家族、そして透析とは無関係だと思っていたが、友人が透析を受けることになった等の人々の、透析医療の理解の一助になることを願い、終わりにしたいと思います。
シリーズ化を予定はしていますので、良ければ続けてお読みいただければ幸いです。


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