おはこんばんちはなら~!
さてさて、このブログを学生さんが見ているかどうかはさて置きまして。
この時期は、学校により早ければ臨床実習を実施しているところもあるのではないでしょうか。
そんな中、その時期になると必ずといって良いほど出てくる話題があります。
「ME2種なんか取っても意味ないよ(笑)」という言説です。
この話題について、筆者なりの考えなどを整理できればいいなーと思い、今筆を執っています。
では行きましょう。定番の話題へようこそ!
ME技術実力検定試験とは何か?
第2種ME技術実力検定試験は「ME機器・システムの安全管理を中心とした医用生体工学に関する知識をもち、適切な指導者のもとでそれを実際に医療に応用しうる資質」を検定するものです。合格者は、日本生体医工学会より合格証明証が交付され、「第2種ME技術者」の呼称が使用できます。また、第1種ME技術実力検定試験の受験資格が得られます。
公益社団法人 日本生体医工学会 ME技術教育委員会
上記の文言はME技術検定試験のホームページから引用してきました。
なるほど。普段病院内で使われる輸液・シリンジポンプや、ベッドサイドモニタ、それに付随するシステムなどを理解するのに、この資格は有用ですよ。と言っている訳です。
CEは勿論、ご存知の方もいるかもですが、このME2種の上位資格にはME1種が存在し、それを合格し、且つ臨床経験が3年以上になると、臨床ME専門士の認定を申請することが出来ます。
受験資格は?
資格には受験資格が付き物です。
がしかし、ME2種には受験資格はありません。なので、学生さんも小手調べに受験することが可能なのです。
ただし、この先の話が鬼門。
ME1種に関しては、ME2種の合格、または臨床工学技士国家試験に合格していることが受験要件となります。
ここからが今回の騒動の発端にして、事の本題です。
ME2種を取得することは意味がない?
事の発端は、実習に赴いた学生が、実習先の技士に言われたこの一言です。
「ME2種なんか取っても意味ないで。」
さて、前後の文脈が無いため、何とも言い難いフレーズではありますが、この部分だけを切り取って論ずるに、恐らくこの技士は、ME2種を取得したところで、現場では何一つ役に立たないぞ。と言いたかったのではないか?と考えます。
この発言をした技士が技士何年目で、どの業務に従事し、どういうポジションで発言したのかは当事者のみぞ知る。といったところでしょう。
(浅く思慮すれば)一理あるこの考え
受験資格の項でも触れましたが、実はME2種はレベル的には臨床工学技士国家試験と(ほぼ)同等と設定されています。その証拠に、ME1種の受験条件には、【CEである or ME2種合格者】とあります。
これはつまり、生体医工学会は「ME2種持ってれば、ME機器に関しては臨床工学技士と同等の知識を有しますよ~」と宣言しているわけです。勿論、医学分野も出題はされますが、それは基礎医学。理解して当たり前ということなのでしょう。
恐らくは高校生物に毛が生えた程度の知識さえあれば、基礎医学はそこそこ点数を取れてしまいます。
そして肝心の工学分野や情報処理分野。これが問題で、じゃあ臨床現場に出た時にこの知識を使う場面があるか?というと、(見方によっては)ほぼありません。
こういう一側面だけを捉えた時、国家試験さえ通ればこっちのもの。勝てば官軍。という考えであれば、ME2種は必要ではないかもしれません。
「別にME2種持ってても、手当も付かないしレベル的にCEと同じなら、持ってなくてもいいじゃん」というやつです。
本当に意味がない??資格を取得する倫理的側面
さて、この世界ー現実は多面的に物事を捉え、解釈しなければなりません。その為、上記の様なただ一側面だけを見て、答えを出すというのは誤解を招く恐れがあり、大変危険です。
上記の意見の問題は、
一つは現場の仕事には役立たないのではないか?ということ。
2つ目は、そもそも取得しても意味がないのではないか?ということ。
これらの課題について、実用性もさることながら、倫理的側面からも考えていきたいと思います。
ME2種(やその他資格について)の実用性
さて、ここではME2種の試験範囲を例にご説明しましょう。
以下はME2種の案内ページからの引用です。
ICU・CCU、手術室、透析室、検査室、滅菌材料室、病室、診察室などの医療の現場、在宅医療で使用されている機器・システムを安全に正しく運用するために必要な基礎的事項について出題されます。具体的には下記のとおりです。
Ⅰ.基礎的知識
1)MEの基礎となる医学的知識:
循環、呼吸、代謝、脳神経、運動、感覚、内分泌など、解剖や生理機能に関する基礎的知識、医療制度や公衆衛生に関する基礎的知識
2)MEの基礎となる理工学的知識:
直流・交流回路、増幅器、フィルタ回路などの電気・電子回路、コンピュータ、物理学、流体力学、熱力学、化学などに関する基礎的知識
3)MEの基礎的知識:
生体の物理的特性(電気、力、流体、温熱、音響、光、放射線など)および化学的特性、生体計測法・治療法・滅菌法の原理、単位や定数、センサなどに関する基礎的知識
Ⅱ.実際的知識
医療の現場で使用される機器・システムについて、下記のような知識(JISを含む)が問われます。
機器・システムには心電計、脳波計、筋電計、生体情報モニタ、テレメータ、血圧計、血流計、呼吸計測装置、各種血液ガス分析装置、医療画像診断装置(内視鏡、超音波診断装置、X線CT、PET、MRIなど)、麻酔器、電気メス、レーザメス、除細動器、人工呼吸器、血液浄化装置、体外循環装置、ペースメーカなどが含まれます。1)原理、構造に関する知識:
機器・システムの原理、構造、性能など
2)操作、運用に関する知識:
用途、操作法、校正法、保管手段、日常点検、トラブル対策など
3)保守、点検に関する知識:
漏れ電流、接地抵抗、絶縁抵抗などの定期点検および各種医療機器の機能点検、主要な故障診断法とそれにともなう測定器の使用法など
4)安全性、信頼性に関する知識:
電気的安全性(ミクロショック、マクロショックなど)、物理化学的安全性(爆発・火災・熱傷・機械的破損など)に関する事項、EMC、故障率、信頼度など
5)病院設備等に関する知識:
電気設備(接地、非常電源、非接地配線)、医療ガス設備、電磁環境など
いやー振り返ってみると結構本格的じゃね?という気がします。筆者が試験を受けた2009年頃?もこんなんだったかな~と記憶をほじくり返しますが、もうちょっと簡単だったと思います…(笑)
兎にも角にも、実践的知識の項に関しては臨床工学技士の業務に耐えうる知識になるのではないでしょうか。僕らの業はそもそも機器管理がベースなわけですしね。
なので、これを疎かにするような技士を果たして信用できますか?という問題は発生しますね。
学生さんは、現場技士の無責任は言説には惑わされる事なく、しっかりと試験に挑んでいただきたいですね。
ME2種(やその他資格)を取得することの倫理的側面
さて、いきなり小難しい話ですが、恐らくこの話は避けては通れない話題ではないでしょうか。
というのも、我々医療従事者は、社会人の中では特に生涯学習の毛色が強い職業群です。
その生涯学習をしていく中で、自分の立ち位置を確認するのに丁度いい物差しがあります。
そう。資格です。
私たち医療従事者は、半ば強制的に学習をしなければならない環境に身を置いている訳ですが、闇雲に学習ーInputしていては、あまり身に付きません。その為に、たまにはOutputをする必要が出てきます。その際、これまでのInputが間違っていないかを確認する必要があります。その為に、資格試験は活用される訳です。
倫理的側面とは
倫理は**「心のコンパス」**
法律が「してはいけないことの最小限の線」なら、
倫理は「こうあるべきだという最大限の理想」
であり、我々はInputした知識を最大化し、現場に還元することが求められます。その為に、知識を体系化し、無駄を削ぎ、内外に知識を示す必要があるのです。私が思うに、【こうあるべき】の【こう】の一部分に、知識をInputし、そしてOutputにより治療効果の最大化を図ることが含まれると思うのです。
そして、資格の取得というのはある意味副次的なものであり、大切なのはInput過程で何を吸収出来たか?ではないでしょうか。
筆者はこのブログを運営するという副次的経験により、知識のOutputをする場を獲得する事が出来たため、ある意味幸せではあります。
これは資格でもなんでもありません。しかし、このブログの信用により、意外にも頼ってくれる方が居るのも事実。そして、それに甘んじることなく日々知識の研鑽に邁進しようと思えるわけです。
以上より、帰結として、資格は取ることが重要ではなく、その過程で知識をどれだけ吸収出来たかが重要である。と筆者は考えます。
学生たちは、この事を肝において、ベースの知識を構築するという意味も込めてME2種を取得して欲しいのです。それは今後数十年、臨床工学技士として働くうえで、学習の仕方や方向性、Outputの仕方を形作ることになるでしょう。
結論
これら筆者の主観的言説より、
「ME2種を取得することは決して無駄ではない。むしろ学生だからこそ取るべきだ。」
という立場です。
筆者も3年次でME2種は合格した口なので、自己を肯定する意味も込めて、無駄ではないと強く推奨します。
生涯学習は自己との戦いです。誘惑に打ち勝ち、素晴らしい景色を見ようではないでしょうか。
あとがき
さてあとがきです。
いや~学生さんは困りますよね。先輩から取っても無駄やで!!なんて言われたら。プンスカ!!
僕たち先輩は、後輩を生温かく見守り、もし道を間違えそうであれば、そっと道を正してやり、導いてあげるのが教育であり、先輩としての役目だと思います。
ま、筆者は転職回数多すぎて、同期も後輩も部下もほぼ居た事ありませんがね!!!
そんなこんなで今回の記事は締めたいと思います。
では、皆様、アディオース!!


コメント
資格取得ではなく、資格取得のために勉強したことに意味がある。
いやもう本当にその通りだと思います。