透析における貧血指標RDWーRed Blood cell distribution Width : 赤血球分布幅ー

血液浄化

 おはこんばんちわなら~

 このブログをご覧の皆さんに於かれましては、色々と検査項目の担当をしている方や、患者データの分析?が好きな看護師さんや技士が多くご覧になられているかと思います。

 そんな皆さん、RDWってご存知ですか??

 何やら最近、血液検査項目で若干注目されつつある検査項目があるようで。

 その名もRDW。いやー筆者は聞いたことないですね。なんなんだろこれ?という感じです。

 なので、勉強がてらブログネタとしてどうか?と思った次第です。

 すでにご存じの方には申し訳ない。つまらない内容になるかもしれませんが、それでもよければお付き合いいただければと思います。

 では行きましょう。貧血管理と検査の世界へ!!

そもそもRDWって何ですか?

 さて、聞き馴染みのないこの単語、一体何のことを指すのでしょうか。

 検索すれば簡単に答えは出ますが、一応の解説です。

 血液検査におけるRDW(red blood cell distribution width)は、赤血球の粒度分布曲線(ヒストグラム)から計測する赤血球体積の不均一性を表す指標です。値が大きくなれば分布幅が広いことを表し、分布が不均一であることを意味します。

 とまぁ小難しい解説ですね。

 要するに赤血球の体積を正規分布させた際の体積の偏りを表す検査項目なんです。

レジデントノート Vot.24 No.18(3月号)2023 P.3200-3201

 RDWにも正確には2種類の名称があるようで、上記の図にあるように、RDW-CVとRDW-SDに分けられます。

 RDW自体はタイトルにもある通り「赤血球分布幅」と言います。「分布」という言葉から正規分布というのも伺えますし、その幅となれば、中央値からの標準偏差であるσを指す。というのも勘の鋭い方であればお気付きかもしれませんね。

RDWから分かること

 さて、先の章でも軽く触れましたが、この検査項目から分かるのは赤血球の体積の大小の均一性=バラつきです。

  • バラつきがあまりない状態を均一性
  • バラついている状態を不均一性

 と呼称します。しかし、これだけではあまりなんのこっちゃ?となってしまいます。そこで重要なのがMCV:平均赤血球容積です。

 RDWはMCVと掛け合わせて検査することで、疾患鑑別に役立てることが可能です。

 これは透析においても当てはめることが出来ます。

IDA : iron deficiency anemia 鉄欠乏性貧血は、RDWにおいてはバラつきが大きく、MCV : 平均赤血球容積が小さい、つまりは十分に赤血球が成熟することが出来ないという特徴を持ちます。

 他にも、MCVは正常値でもRDWが不均一である疾患があるなど、これまでとは一味違った視点で鑑別を行うことが出来るなど、RDWは様々な方面で役にたちます。

透析に於けるRDWの立ち位置

 IDA然り、透析ー主に腎不全というのは貧血のオンパレードです。その為、常日頃からダルベポエチンαやβ、フェジンなどにお世話になっている事と思います。

 エリスロポエチンも鉄も、赤血球の成熟には欠かすことのできない要素です。しかし、広義の腎性貧血(残血も含む)によりこれらは不足を起こす為に貧血を起こすんですね。

 貧血の記事に関しては、他の記事が詳しいので割愛させてくださいね。

 上記4記事で造血機序や腎性貧血、鉄の代謝については解説していますので、お時間が許せば御一読下さい。

 さて、赤血球が中心のお話なわけですが、MCVというのは容積であり、どのように大きくなるかというと、餌を沢山与えれば大きくなる訳です。その餌というのがエリスロポエチンです。但し、エリスロポエチンばかり与えても、ヘム鉄が無ければ赤血球は酸素を運搬することが出来ません。その為、そのエリスロポエチン量に見合った鉄の補充を必要とするわけです。

 しかし、鉄の過剰は感染症を惹起するため、投与には慎重を期す必要があります。具体的には、フェリチンが300ng/mL以上が危険域とされています(当院ではざらに300 overの患者がいますが)。

 RDWにおいて、鉄の不足でかつEPOの過剰投与というのは、MCVの小さい、不均一な赤血球の産生を促してしまいます。つまりは中身がスッカスカの粒を生み出してしまうわけですね。

 これではHbは上がらず、しかしRBCは増え、MCVは低いという状況が発生してしまいます。副作用としての脳梗塞や心筋梗塞の方が大きくなるのではないでしょうか。なんせ物理的に粒が増える訳ですからね。

 その為、RDWの値というのも、透析では結構役に立つのではないかと思います。

あとがき

 今回はさらっとではありますが、RDW : Red Blood cell distribution Width : 赤血球分布幅について解説してみました。

 筆者も色々と解説をするために、資料とか論文探してみたりしたんですが、如何せん少ない。ただの検査項目なので、解説も少ない。こんなの見てるよ―だけ…。なので、今一煮え切らない感じになってしまいました。

 そこら辺はご容赦ください。逆に教えてください。マージでお願いします。

 てなわけで、不甲斐ないですが今回はここらへんで。

 ではまたね~

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