読者の皆様。おはこんばんちわなら~
さてさて、今回は少し学術寄りの記事を書こうと思います。
少し前に、筆者が「論文投稿と学会発表って、どっちの方がハードル高いんだろ?」というツイートをしたところ、思わぬ鍵垢からの引用批判があったと連絡がありました。
ふーん。暇なんだな~と思いながら、「そんなの論文の方が難しいに決まってんじゃん」と筆者は思ったのです。
でもそんな感情論で批判するより、ちゃんとロジカルに説明したいじゃん??と思ったので、今回の記事執筆に至りました。
というわけで、筆者も現在進行形でデータ集めに必死になっているんですが、どう違うのか、どういう内容なのかを、出来るだけ簡潔にまとめたいと思います。
「研究って、なんだかハードルが高そう…」
そんなふうに感じているあなたへ。実は、最初の一歩として“学会発表”という選択肢があります。
この記事では、研究初心者でも迷わず進めるよう、学会発表と論文投稿の違いをわかりやすく解説します。
ではアカデミアの世界へようこそ。
両者は似て非なるもの
さて、研究や学術の初学者であれば、それはどちらも同じなのでは?と思うかもしれません。
実際、そのテーマを世に出す。という意味では同じに見えるかもしれません。が、しかし、その性質は実際には段違いなのです。
それぞれの役割や目的と違い
学会は、我々医療従事者には比較的身近なものです。では学会とはどういう場所なのか?
学会は衆人環視の元、「今こんなことをしています!!」という、現在進行形の研究を発表する場であります。つまりは速報的な側面があります。そして大勢の観衆の目に留まることで、議論質問を真っ向から受けて立つことになります。それはそれで厳しいかもしれませんが、現実の学会では、質問の無い発表もちらほらとあります(その場合には座長が質問を飛ばしますが)。
それに対して、論文投稿は完結した研究成果を記録として世の中に出す。という側面があります。普遍性や再現性もある程度担保されて、その為、一度論文を世に放つと「引用」というイベントが発生します。
| 項目 | 学会発表(抄録) | 論文投稿 |
|---|---|---|
| 目的 | 研究の速報・議論 | 完成研究の公表・評価 |
| ボリューム | 抄録数百字+発表スライドやポスター | 数千〜1万字の論文 |
| 審査の厳しさ | 基本的に形式審査 | 専門家による厳密な査読 |
| 公開範囲 | 学会参加者限定 | 論文誌上で世界公開(PubMed等に掲載) |
| 引用価値 | 低い | 高い |
難易度や準備の違い
学会というのは玉石混淆の場であり、とても先進的な発表もあれば、「なんだこれ?」的な発表もあります。つまり、演題登録さえしてしまえば、誰でも発表する機会を得られる。という点で、学会発表はハードルが低いのです。
内容に関しても、上記の表でもまとめている様に、抄録は800字程度、スライドは10枚前後と準備の難易度は低いです。公開範囲も10分程度の口演やポスター発表で、学会参加者限定です。引用もあまりされることはありません。なんせ記録にも残らないので。
これらに対して、論文投稿はとてもハードルが高いです。というのも、投稿した後は、査読者(レフェリー)との辛辣なコメントのやり取りが待ち構えています。抄録と違い、数千~1万字程度の文章を提出する必要があります。細かく統計の検定方法や図表、グラフの正確さそして、無事査読者からの厳しい審査を通過すれば、投稿雑誌に掲載されることになります。論文雑誌に掲載されることで、web上で公開され、PubMedなどにも載ることになり、検索することで引用もされることになります。
学会での発表準備は、データ集めも短期間で済み、短ければ2~3カ月で済ませることが出来ます。それに対して、論文投稿は細かい構成が必要となります。abstractやintroduction、material and methodやResult、そしてDiscussionという正式な論文構成が必要となってきます。そして、英語で書いたことには理由があり、論文投稿の最終目標は英語論文雑誌への投稿という壁が待っています。
今でこそ英論文での投稿は、AIに英語への変換を投げることで綺麗な英語を生成してくれるようになりましたが、それでもそれを最終チェックするのは自分なので、やはり難易度が変わることは無いと思います。
よくある誤解と注意点
これまでの説明で論文投稿の難易度が如何に高いかがはっきりしたと思います。
しかし、逆に「学会発表したなら、論文化は簡単なのでは?」と思う方もいるかもしれません。実際にはそんなことはなく、学会に参加したことのある方であれば分かると思いますが、あんな薄っぺらい内容では、論文化には到底耐えられません。
また、複数学会にほぼ同じような内容の発表をすることは可能ですが、同じ内容の論文を複数雑誌に投稿することはNGです。
但し、同一研究をさらに発展させ、それをしっかりとした形にして論文化することは可能です。その為、学会発表してハイ終わり。というのは、実は勿体ないのかもしれません。
両者の活用戦略
まず目指したいのは学会発表です。何故かというと、今している研究の立ち位置を確認することが出来ること。そして、行っている研究に対する反応をうかがう事も出来ます。それにより、研究の舵取りも変わってくる事でしょう。
なので、論文化する前には学会を利用するのも一つの手と言えるでしょう。
フローチャートとしては以下の感じです。
[研究着手]
↓
[学会発表で速報・反応確認]
↓
[データ補強・統計解析の精緻化]
↓
[論文投稿・査読対応]
↓
[掲載・引用される研究へ]
なので、筆者を含め、若手研究者の方は、まずは学会発表を目指しましょう。
まとめ
学会発表と論文投稿のハードルの違い、お分かりいただけたでしょうか?
まとめになりますが
・学会は速報を発表する場。反応を確認し、自分の研究の立ち位置を確認する。
・論文投稿は査読者からの厳しい審査を潜り抜ける必要がある
・発表は抄録数百文字で済むが、論文は数千~1万文字。
・統計解析などもしっかりしていないとリジェクトされてしまう。
といったところでしょうか。
学会は年に一度のお祭りであることは確かです。しかし、そのお祭りで、しっかりと得るものは得て帰宅する。それが学会だという事を忘れてはいけません。
発表する側も聴講する側も、学会をしっかり楽しみ、知を蓄えて仕事に還元できるように頑張りましょう。
あとがき
さ、今回はひょんなことから反応のあったツイートに関して深堀してみました。
まぁこのツイートに関する感想的記事は後々執筆するとして。
学会発表って何するの?論文投稿はどれくらいハードルが高いの?をよくお判りいただけたのではないかと思います。
これを切っ掛けに、メディカルスタッフの方々も学会発表に挑戦してみてはいかがでしょうか。
筆者も10数年ぶりですが、頑張って挑戦したいと思っています。
では今回はこの辺で。
まったね~ノシ


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