CLTI治療の最前線~Rheocarna:レオカーナとリポソーバー~

血液浄化

先日公開した記事にて、PADの治療方法を紹介しました。

その内科的治療の中で、ついに我々臨床工学技士の活躍が期待できる治療法が出てきました。

そう。アフェレシス療法です。

今回は血液浄化におけるアフェレシス療法の2つを、差異も含めて説明できればと思います。

では参りましょう。いざ最先端治療の世界へ。

LDL-A:LDL-Apheresis LDL吸着とは

LDL吸着のその歴史

LDL吸着の歴史はそれなりに古い。

初の施行は1975年のThompson(英)による報告1)にまで遡る。この時の適応はホモ接合対FH:amilial hypercholesterolemia 家族性高コレステロール血症の治療に対してである2)

無論、これはリポソーバーによる治療ではない。

リポソーバーによる治療は、それを追いかけること11年。1986年のことである。

KANEKAにより1986年、膜型血漿分離機「サルフラックス」とLDL吸着器「リポソーバー」が生産開始されている3)

リポソーバーの命名規則

リポソーバーは選択的にLDL-Cを吸着し、血中のLDL-Cの減少に寄与する。CLTIに対する治療は、あくまで副次的なものである。

LDL-Cは、英語で「Low Density Lipoprotein :低比重リポ蛋白」である。意外にここまで知らない読者も多いのではないだろうか(蓼食う虫も好き好きである)。

これを吸収:Absorb する物(-er)だからLiposorber:リポソーバーではないかと筆者は考えています。

治療原理

このページを見ている読者の方々の大半は、LDL吸着を経験しているのではないでしょうか。

釈迦に説法となりますがお付き合いください。

吸着体素材として、セルロースゲルを持っており、リガンドはデキストラン硫酸です。デキストラン硫酸が陰性荷電していることにより、LDLの中でも特に陽性に荷電しているアポリポ蛋白B-100と静電的な結合をすることにより、アポリポ蛋白B含有リポ蛋白を選択的に吸着できるのです4)5)

この陰性荷電の強さが具体的にマイナス何mVくらいなのかは文献を見つけることができませんでした。もし情報お持ちの方、居られましたらご一報ください。

治療

保険適応上、LDL吸着は「血漿交換療法」にあたります。

治療に際し必要になるデバイス類は以下の通り

リポソーバー(血漿吸着器)

サルフラックス(血漿分離)

賦活液(5%食塩液)

MA-03(LDL吸着専用コンソール)

この他にはお馴染みの生食や専用回路、鉗子数本などが必要となります。

治療条件としては

血流量 100−200ml/min

血漿流量 血流に対する30%以下

血漿処理量 最大6000mL/session

抗凝固剤 ヘパリン(ショット:1000~2000IU,持続:1000~1500IU/H)

     メシル酸ナファモスタット(ショット:なし , 持続:30㎎/H)

を目安に行います。

禁忌・注意事項

本治療はデキストラン硫酸と接触することにより、結果としてブラジキニンの産生を促します。その為、過度の血圧低下等が起こる可能性があり、ACEiが処方されている患者には禁忌となっています。

また、作用機序がよく似た経路を辿るという理由からARBが処方されている患者にも注意が必要です。

上記禁忌薬剤を使用している患者に対して治療を行いたい場合、

ACEi服用中の透析患者は1か月、非透析患者は2週間の休薬期間が必要です。

また、ARBに関しては治療終了後に服薬するように指導します。

また、治療に際して血圧低下が顕著な症例で、適応をLEAD(旧名 ASO)以外で行っている場合には、抗凝固剤をメシル酸ナファモスタット(NM)に変えることでブラジキニン分解の抑制を阻害することで血圧低下を抑制することが出来ます。

保険について

LDL-Aは様々な疾患に対して保険適応が下りています。

1つ一つの疾患についての説明は割愛しますが、保険適応の範囲と点数などを見ていきましょう。

適応疾患

  • FH : 家族性高コレステロール血症

当該療法の対象となる家族性高コレステロール血症については、次のいずれかに該当する者のうち、黄色腫を伴い、負荷心電図及び血管撮影により冠状動脈硬化が明らかな場合であり、維持療法としての当該両方の実施回数は週1回を限度として算定する。

ア 空腹時定常状態の血清LDLコレステロール値が370mg/dLを超えるホモ接合体の者
イ 食事療法及び薬物療法を行っても血清LDLコレステロール値が170mg/dL以下に下がらないヘテロ接合体の者

  • ASO(LEAD):閉塞性動脈硬化症

当該療法の対象となる閉塞性動脈硬化症については、次のいずれにも該当する者に限り、当該療法の実施回数は、一連につき3月間に限って10回を限度として算定する。

ア フォンテイン分類II度以上の症状を呈する者
イ 薬物療法で血中総コレステロール値220mg/dL又はLDLコレステロール値140mg/dL以下に下がらない高コレステロール血症の者
ウ 膝窩動脈以下の閉塞又は広範な閉塞部位を有する等外科的治療が困難で、かつ従来の薬物療法では十分な効果を得られない者

  • FSGS(focal segmental glomerulosclerosis):巣状分節性糸球体硬化症

当該療法の対象とな巣状糸球体硬化症は、従来の薬物慮法では効果が得られず、ネフローゼ状態を持続し、血清コレステロール値が250mg/dL以下に下がらない場合であり、当該療法の実施回数は、一連につき3月間に限って12回を限度として算定する。

  • 難治性高コレステロール血症に伴う重度蛋白尿を呈する糖尿病性腎症に対するLDLアフェレーシス

[注2]に規定する難治性高コレステロール血症に伴う重度蛋白尿を呈する糖尿病性腎症とは、重度蛋白尿(1日3g以上の蛋白尿を呈するもの又は蛋白尿/尿クレアチニン比が3g/gCr以上のものに限る。)を呈する糖尿病性腎症(血清クレアチニンが2mg/dL未満に限る。)であって、薬物療法を行っても血清LDLコレステロール値が120mg/dL以下に下がらない場合である。この場合、当該療法の実施回数は、一連につき12回を限度として算定する。

※[注2]難治性高コレステロール血症に伴う重度蛋白尿を呈する糖尿病性腎症については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する

  • SLE:全身性エリテマトーデス

当該療法の対象となる全身性エリテマトーデスについては、次のいずれにも該当する者に限り、当該療法の実施回数は月4回を限度に算定する。なお、測定した血清補体価、補体蛋白の値又は抗DNA抗体の値を診療録に記載する。

ア 都道府県知事によって特定疾患医療受給者と認められた者
イ 血清補体価(CH50)の値が20単位以下、補体蛋白(C3)の値が40mg/dL以下及び抗DNA抗体の値が著しく高く、ステロイド療法が無効又は臨床的に不適当な者
ウ 急速進行性糸球体腎炎(RPGN)又は中枢神経性ループス(CNSループス)と診断された者

なお、本療法を実施した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に一連の当該療法の初回実施日及び初回からの通算実施回数(当該月に実施されたものを含む。)を記載すること

それぞれ処方期間や処方回数が異なることを念頭に治療にあたることが必要です。(はいここ血液浄化専門に出てもおかしくないからねー)

保険点数および償還費

先程も述べた様に、原理は吸着ですが保険上は「血漿交換療法」であることに注意が必要です。

J-039 血漿交換療法(一日につき) 4,200点

吸着型血漿成分吸着器 83,600円

膜型血漿分離器 30,200円

今回の題材としているLEADに限った話をすれば、一連の治療につき医療費は満10回実施した場合、1,546,000円となります。これだけみれば、十分高額医療となります。

回路構成

回路構成は3部分に分けて考えることができます。

血液回路・血漿回路・賦活回路です。血漿「交換」療法ですが、FFPなどは使いません。その回路の代わりに賦活回路があると考えてください。賦活液を用いてリポソーバーを洗い流し、プライミングにも用いるソルラクトでリポソーバーを充填し、再度血漿を通す。これを何度も繰り返します。

以上がリポソーバーを用いたLDL-Apheresis LDL吸着の概要です。

Rheocarna:レオカーナ

2021年4月から保険収載された新規アフェレシスデバイスです。

筆者の前施設でも、収載直後に適応患者に対して使用した経験があります。

新規デバイスの為、情報は極端に少ないのが現状です。

ここではKANEKAからの研修資料および限られたデータを用いて解説していこうと思います。

Rheocarna:レオカーナとは

Rheocarna:レオカーナの歴史

レオカーナの吸着体の最初の発表がなされたのは2000年の人工臓器である6)

それから更に15年後の2015年~2019年10月、全国14施設で61症例を対象に治験が行われました。

上市したのは治験結果が良好だったからでしょう。

結果、2020年8月3日に販売承認を受け、2021年4月に保険収載の運びとなりました。

Rheocanaの命名規則

Rheocarnaの商品名の由来は、KANEKAの説明では

Rheology(流体学)とCana(ローマ神話に登場する、健康を司る女神)の造語から来ています。

治療原理

治療原理は吸着によるLDL-Cとフィブリノーゲンの除去になります。

吸着体素材として、セルロースビーズを持っており、平均粒径450μmのビーズに共有結合で結合している。リガンドはデキストラン硫酸とL-トリプトファンで、デキストラン硫酸が陰性荷電していることにより、LDLの中でも特に陽性に荷電しているアポリポ蛋白B-100と静電的な結合をすることにより、アポリポ蛋白B含有リポ蛋白を選択的に吸着できるのです4)5)。また、トリプトファンの疎水基とフィブリノーゲンの疎水性相互作用により、選択的にフィブリノーゲンを除去することが出来ます。

トリプトファンの着想はどこから得られたのかの文献は見つけることが出来なかった7)。

リポソーバーとの相違点としては、素材がゲルからビーズへ粒径が大きくなり、またリガンドにL-トリプトファンが追加されたことです。

治療

保険適応上、Rheocana:レオカーナは「吸着式潰瘍治療法」にあたります。

血液浄化ではありますが、血液吸着療法(エンドトキシン吸着 e.t.c…)とは異なる点に注意が必要です。

治療に際し必要になるデバイス類は以下の通り

レオカーナ

血液透析用回路

血液透析用コンソール

この他にはお馴染みの生食や鉗子数本などが必要となります。

治療条件としては

血流量 30−200ml/min

血液処理量 最大12000mL/session

抗凝固剤:ヘパリン(ショット:3000IU , 持続500~1500IU)

を目安に行います。

スケジュール

  • 一回の治療は約2時間
  • 週2回の実施を基本
  • 中1日以上治療間隔を明ける ※連日実施の場合は適宜フィブリノーゲン値を確認する。
  • 12週間(計24回)を1クールとする

1クールで治療が完結しない場合には、医師の判断により継続して使用することが可能です。

禁忌・注意事項

本治療はデキストラン硫酸と血液が接触することにより、キニン・カリクレイン系の活性化、NOやプロスタグランジンE2、I2などの血管作動性因子の産生を誘導することが知られています8)。これらの結果としてブラジキニンの産生を促します。その為、過度の血圧低下等が起こる可能性があり、ACEiが処方されている患者には禁忌となっています。

また、作用機序がよく似た経路を辿るという理由からCa+拮抗薬、β遮断薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬:ARBが処方されている患者にも注意が必要です。

上記禁忌薬剤を使用している患者に対して治療を行いたい場合、

ACEi服用中の透析患者は1か月、非透析患者は2週間の休薬期間が必要です。

また、ARBに関しては治療終了後に服薬するように指導します。

治療に際して血圧低下が顕著な症例で、適応をLEAD(旧名 ASO)以外で行っている場合には、抗凝固剤をメシル酸ナファモスタット(NM)に変えることでブラジキニン分解の抑制を阻害することで血圧低下を抑制することが出来ます。

また

  • レオカーナ治療の際には抗凝固剤を使用するので、抗凝固作用、抗血小板作用を有する薬剤を使用する場合には、出血助長や止血不良に注意する。
  • レオカーナ治療の日には、趾切断、抜歯、デブリードメントなどは、可能な限り避ける事

とあります。

保険について

新規デバイスということで、適応には慎重にならざるを得ません。よく確認していきましょう。

適応疾患

リポソーバーと異なり、レオカーナに適応疾患というものはありません。
※特定保健医療材料区分では閉塞性動脈硬化症用となっています。

先にも述べたように、あくまでレオカーナは「吸着式潰瘍治療法」なのです。

その為、以下の様な手術不適応患者に対して施行されます。

①血行再建術が実施できない(不適応)患者、もしくは

②実施しても術が不成功や再狭窄などで潰瘍が改善しない(不応答)患者、であり、その基準は以下の通りです。
1)解剖学的困難(不適応)
2)血行再建術が手技的に不成功(不応答)
3)血行再建術が臨床的に不成功(不応答)
4)その他の理由(不適応

上記様態を呈するCLTI(旧名 ASO):包括的高度慢性下肢虚血 の患者が対象になります。

CLTIの本態とは

包括的高度慢性下肢虚血(chronic limb-threatening ischemia: CLTI)とは,下肢虚血,組織欠損,神経障害,感染などの肢切断リスクをもち,治療介入が必要な下肢を総称する概念である.これまで用いられた重症下肢虚血(critical limb ischemia: CLI)は,高度虚血の観点からのみ定義されており,肢の自然予後が必ずしも正確に反映されていなかった.CLTIではWIfI分類を用いて,対象肢を,組織欠損,虚血,足部感染の3要素で評価する.客観的にLEADと診断された成人で,以下のいずれかの臨床症候を有していることがCLTIの条件となる.
・ 血行動態検査で確定された(WIfI grade 3の虚血)安静時疼痛
・糖尿病性潰瘍または2週間以上継続する下肢潰瘍
・下腿または足部の壊疽

2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドライン 4.3 包括的高度慢性下肢虚血(CLI)P.51 より

ガイドラインから丸っと引用していますが、CLTIという疾患はあくまで概念ということであり、これまでの単純な虚血だけの評価から、3要素(組織欠損・虚血・感染)の観点から評価する疾患へとグレードアップしたということです。

この3要素を満たした病態の患者のみがレオカーナの適応ということになります。

適応のある潰瘍とは

KANEKAの研修会資料によると

治験では、初回クールで<40mmの潰瘍で治癒が認められたとあります。また、これ以上の大きさでも50%以上の面積縮小を認められたとあるので、実施が無駄という訳ではないようです。

詳細には、39㎜以下の潰瘍であれば1クールで治癒しています。治験では、最大87㎜の潰瘍でも実施していますが、50%の潰瘍縮小を認めています(残念ながら後者は中止症例になっています)。

1)骨もしくは腱の露出を伴う潰瘍には、レオカーナを慎重に適用する。
2)治療対象とする潰瘍に関連する血行再建術が6カ月以内に複数回実施されている患者には、本品を慎重に適用する

とあります。

また、

  • 下肢の主幹動脈に狭窄・閉塞を現に認めた、又は疑われる場合は、血行再建術の適応を検討する。
  • 本治療による血流改善により感染が広範囲に広がる可能性が否定できないため、感染の管理に注意する。

ともあります。

保険点数および償還費

記事執筆時点(2023年4月)で

  • 吸着式血液浄化用浄化器(閉塞性動脈硬化症用)として91,600円(償還価格)
  • K616-8 吸着式潰瘍治療法(1日につき)として1,680点(診療報酬点数)

が付きます。※2021年時点は準用技術料としてK000 創傷処置2 1,680点が用いられていた点に注意

非常に高額な先端医療となるため、適応条件も厳しく、一般社団法人 日本フットケア・足病変学会が策定した「閉塞性動脈硬化症の潰瘍治療における吸着型血液浄化器に関する適正使用指針9)に従うことが求められます。

1クール満24回、治療を実施することで2,601,600円という高額医療になります。さすがは先端医療ですね。

この点に注意して、慎重に治療には当たりたいところです。

実際の治療に際して

直接血液灌流(DHP)であり、一般の透析用コンソールがあれば実施が可能である点が、リポソーバーとは大きく異なる点です(若干の工夫は必要です)。

回路も一般的な透析用回路で問題なく使用でき、ダイアライザーをレオカーナに置き換えるだけの簡便な回路仕様です。
プライミングは手動にてヘパリン化生食にて行います。

コンソールの自動プライミング過程によっては、自動プライミングも可能ではないか?と考えます。その場合はプライミング後にヘパリンを回路に注入して循環させれば問題ないのではないかと思われます(フサン使用の場合はこの限りではありません。注意してください)(やってみてください。面白いものが見れます)。

透析と違う点は、入り口圧の測定が必要ということです。

ほとんどの透析用コンソールでは静脈圧ポートしか装着していません(オプション装備のため)。
この為、回路には一工夫必要になります。具体的な準備物品は以下の通りです。

  • 延長チューブ
  • 三方活栓
  • 非常用圧フィルター

1)まず延長チューブを動脈チャンバーの余ったポートへ接続します。
2)延長チューブと非常用フィルターを接続します。
3)三方活栓とV圧フィルターを接続します。
4)非常用フィルターと三方活栓を接続します。
5)三方活栓と本体の静脈圧ポートを接続します。

完成図は上記の写真のようになるので、参考にしてみてください。

三方活栓の方向を変えることで、入り口/出口圧の測定が可能になります。

治療に当たっての注意点

  • 初回開始時のQBは50mL/min以下

LDL-アフェレーシスではQB100mL/minに対してQs 30mL/minなので、出来るだけQB30mL以下でスタートするのがその根拠となります。
※最大流量は200mL/minまでと添付文書にありますが、現実的には100mL/minでも厳しいという体感です。それほど血圧が下がります。

  • 血圧は開始5分後に測定する血圧低下があれば、QB60mL/min以上には上げず、以後5分おきに測定

→ブラジキニンの産生速度は相当早く、5分で測定というのは妥当な時間です。

  • 血圧低下時、補液を行う際はポンプを停止しA側から補液する

  →カラムを通過することで、余分なブラジキニンの産生が促されてしまうため。

  • レオカーナの入り口/出口圧の圧力差が150mmHg以内で使用する。150mmHgを超えた場合には治療を中止し、直ちに血液回路内の血液を回収する。

治療の終了の目途

潰瘍の治癒(滲出液がなく皮膚欠損がない状態)が確認されたら、1クール終了前であっても当該治療を終了すること。

閉塞性動脈硬化症の潰瘍治療における 吸着型血液浄化器に関する適正使用指針 第1版 P.8

適正使用指針ではこのようにあります。

ただし、潰瘍が完全に治癒しないまでも、面積の縮小が認められる場合、他の治療が不適応な場合には医師の指示のもと継続して使用することが可能です。

リポソーバーとレオカーナの相違点

上記の表でも説明しているように、リポソーバーはトータルコレステロールやLDLコレステロール値に縛りが存在しており、そもそもが下肢虚血に対しての治療ではありません。あくまで副次的なものです。

それに対して、レオカーナはFontaine分類は重度ですが、検査値に縛られることなく治療が開始できるという点が特徴です。

あとがき

レオカーナの使用には、各職種が前もって研修を受ける事が努力義務化されており、カネカから資料と共にZOOM研修が行われます。

今回の記事もその研修資料に則り執筆しました。

まだまだ出たばかりのデバイスなので、これからの治療適応の拡大(冠動脈石灰化の抑制など?)にも夢が膨らむ所です。

従来からあるリポソーバーによるLDL吸着も、適応疾患をしっかりと見極めて使うという点では、まだまだ現役の治療法であることに違いはありません。

その点はしっかりと医師とDiscussionしながら治療に当たりましょう。

1)Thompson, G. R., Lowenthal, R. and Myant, N. B:Plasma exchange in the management of homozygous familial hypercholesterolemia. Lancet i: 1208, 1975.

2)横山信治 山本章 林陸郎 佐谷誠 , LDLアフェレーシス , https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsao1972/15/5/15_5_1811/_pdf

3)カネカ株式会社 沿革

4)リポソーバー 添付文書

5)リポソーバー LA-15 添付文書

6)奥山 勉, 中谷 勝, 小林 明, 古吉 重雄, 谷 敍孝 , LDLアフェレシス用直接血液灌流吸着体の開発 In Vitro実験による吸着性能の評価 , 人工腎臓29巻1号 2000年

7)特許協力条約に基づいて公開された国際出願

8)日高 寿美,小林 修三 , 透析患者の下肢閉塞性動脈硬化症に対する新しいアフェレシスデバイス(レオカーナ), 人工臓器51巻1号 2022年

9)「閉塞性動脈硬化症の潰瘍治療における吸着型血液浄化器に関する適正使用指針」 , 日本フットケア・足病変学会 2021年

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