おはこんばんちはなら~。
さてさて、なんだかんだでシリーズ化している骨代謝回転記事。これまではTRACP-5bとBAPを記事として書かせていただきました
さて、この二つの記事のキーワードは「骨代謝回転」です。
筆者はこの言葉には新人1年生の頃に出会ったのをよく覚えています。まぁその頃は勉強なんてしてなかったのでほったらかしにしてましたが。
何を主体として診るかにより言葉が変わるせいで、実にややこしいこの「骨代謝回転」という生理学。
今回はこの「骨代謝回転」にフォーカスを当てて記事を書いてみようと思います。
怒涛の3連続執筆ですが、この勢いに任せて行ってみましょう!!
では行きましょう!骨代謝回転の世界へようこそ!!
骨代謝回転の基礎
骨は静的な組織ではなく、常に破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成が繰り返される「骨リモデリング」によって維持されています。これを総称して**骨代謝回転(bone turnover)**と呼びます。つまり、骨代謝回転は骨リモデリングの一部という事です。
この回転は、骨の強度維持だけでなく、体内のカルシウムやリンの恒常性にも寄与しています。ホルモン(副甲状腺ホルモン〔PTH〕、ビタミンD、性ホルモン)や機械的負荷などにより調節され、バランスが崩れると骨粗鬆症や異常骨代謝の原因となります。
骨代謝回転を測定するマーカー
その昔、骨代謝回転を調べるには、骨生検をするしかありませんでした。
しかし、現代になっては、骨代謝の状態は、血液中の骨代謝マーカーによって推定されます。
- 骨形成マーカー: 骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)、P1NP、オステオカルシン
- 骨吸収マーカー: TRACP-5b、CTX、NTX
特にCKD患者では腎排泄性マーカー(CTX, NTX, オステオカルシンなど)は偽高値を示すため注意が必要です。腎機能に依存しにくいBAPやTRACP-5bが有用とされています1)2)3)。
KDIGOガイドライン(2017)では、CKD G3a–5Dの骨評価において、PTHとBAPの測定を推奨しています。PTHの極端な高値や低値、BAPの異常は、それぞれ高回転・低回転性骨病変を示唆します。
CKD-MBDと骨代謝回転の異常
慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)では、腎不全によるリン貯留、低カルシウム血症、ビタミンD活性化障害などが連鎖し、二次性副甲状腺機能亢進症や骨病変を引き起こします。
主な骨代謝異常のタイプ
- 高回転性骨病変: PTH高値による骨吸収・形成の亢進(線維性骨炎)。
- 例:高回転骨:PTH ↑、BAP ↑、TRACP-5b ↑
- 低回転性骨病変: PTH過剰抑制や加齢・糖尿病に伴う無動性骨(アダイナミック骨病変, ABD)。骨修復能低下により骨折リスクや血管石灰化リスクが増加。
- 例:低回転骨:PTH ↓、BAP ↓、TRACP-5b ↓
- 混合型骨病変: 高PTH状態に石灰化不全が合併するパターン。
いずれも骨脆弱性と心血管系リスクに直結するため、極端な骨代謝回転を避けることが治療戦略の中心となります。
診断と評価のアプローチ
- PTH測定: CKD透析患者では正常上限の2–9倍を目安に管理4)。
- BAP測定: 高回転の補助的指標。
- 骨密度検査(DXA): CKD患者でも骨折リスク予測に有用。
- 骨生検: ゴールドスタンダードだが侵襲的で限られた症例に施行。
| 指標 | 何を見ているか | 腎クリアランス影響 | CKDでの実用度 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| PTH | 代謝回転の間接指標 | 影響大(フラグメント等) | ◎(連続値で傾向追跡) | 測定系差・断片/酸化PTH問題 (PMC) |
| BAP | 骨形成 | 影響少 | ◎ | 肝型ALPとの交差に注意 (PMC) |
| TRACP-5b | 骨吸収 | ほぼ影響なし | ◎ | 破骨細胞数反映。心血管イベントとの関連報告あり(背景注意) (PubMed) |
| P1NP | 骨形成 | 測定系により影響(intactは比較的良好) | ○ | キット差の明記を (PMC) |
| CTX/NTX/OC | 骨吸収/形成 | 強く影響 | △ | 偽高値に注意 (PMC) |
治療戦略
CKD-MBD治療の目標は、「リン・カルシウム・PTHの適正管理」と「骨折予防」です。
- リン管理: 食事制限+リン低下薬(非Ca系の積極使用も)
- PTH抑制: 活性型ビタミンD製剤、カルシミメティクス、難治例では副甲状腺摘出
- PTHの過剰低下はABDのリスクを増加させることになるので注意4
- Ca管理: 正常域に維持、過剰なCa負荷はABDを助長するため注意
- 骨粗鬆症治療薬: デノスマブや一部ビスホスホネートはCKD患者でも骨折抑制効果が期待され、使用が再評価されつつある
- デノスマブ:骨折は減、MACE↑のシグナル報告あり → CKD5Dでは心血管背景を踏まえて説明とモニタ5)。
- ロモソズマブ:骨折抑制は強力、CVリスク警告あり → 既往/リスクで適応検討6)
- ビスホス:腎排泄だが、近年は一律禁忌ではなく個別検討の流れ(低回転化に注意しつつハイリスクには活用)7)。
最新の研究動向
- 新規バイオマーカー: スクレロスチン、FGF23、非酸化型PTHなどが研究対象に。
- 新規治療薬: 抗スクレロスチン抗体(ロモソズマブ)がCKD患者のABDに有用か検討中。
- 骨折アウトカム研究: デノスマブやテナパノルなど、新規薬剤の介入効果が臨床研究で蓄積中。
ただここで気を付けたいのは、~ズマブ系の薬剤がCVDを増やす。という報告が上がり始めている点です。これは、どうも透析患者特有らしく、今後の続報が待たれるところです。
また、新規バイオマーカー群は、まだエビデンスとしては未確立という部分に注意が必要です。
まとめ
骨代謝回転は骨の健康だけでなく、CKD患者の生命予後や心血管リスクにも直結する重要な概念です。
我々医療従事者は、PTHやBAPを中心とした評価、CKD-MBDの病態に応じた治療介入、そして最新の研究動向を理解することで、より良い患者アウトカムを目指すことができます。
あとがき
はい!というわけで、簡潔にではありますが今回は骨代謝回転について纏め記事にさせていただきました。
いや~Chat GPT5は優秀ですね。まずDeepResearchでとことん調べて、そこから記事のドラフト作って!!とプロンプト投げると、ある程度の骨子は作ってくれるので、それをまた自分でまとめる感じで記事にすると、いい感じになるこの不思議!!
ただ、問題は自分の脳みそにちゃんとインプットされているかというところですね。その部分を、しっかりDeepResearchを読み込んで、勉強していきたいと思います!!
ではこれも皆さんのお役に立てる記事になることを願いまして、〆たいと思います!!
では!あでぃおーすノシ
1)Clinical Utility of Bone Turnover Markers in Chronic Kidney Disease,J Bone Metab
. 2024 Nov 30;31(4):264–278. doi: 10.11005/jbm.24.789
2)Real-world usage of Chronic Kidney Disease – Mineral Bone Disorder (CKD–MBD) biomarkers in nephrology practices ,Clinical Kidney Journal, Volume 17, Issue 1, January 2024, sfad290,
6)Cardiovascular Outcomes of Romosozumab and Protective Role of Alendronate: A Conundrum or Clarification , Arteriosclerosis, Thrombosis, and VascularBiology,Volume 39, Number 7,https://doi.org/10.1161/ATVBAHA.119.312371
7)Overview of the 2017 KDIGO CKD-MBD Update: Practice Implications for Adult Hemodialysis Patients




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