さてさて
今回は全く毛色を変えた記事です。
テーマは労働基準法。
なぜこんな記事を書こうと思ったのかも含めて、これから解説していこうと思います。
尚、筆者の転職活動や半生に関しては下の記事で紹介していますので、興味のある方はご笑覧ください。
では、ようこそ労働基準法の世界へ
事の発端
さてさて、弊社では試用期間の3カ月が終わると、院長面談なるものがセッティングされます。そこで、院長の一存により「採用」「試用期間延長」「不採用」が決まります。
まぁ院長(社長)にそれだけの人事権があるのかどうかが法律的に怪しい所ですが、今回は割愛したいと思います。
さて、そこで筆者は、本来であれば形式的なやり取りをして、呪文を唱えて終わりとなるはずでした。その所要時間約5~10分。
しかし、そうは問屋が卸さないのが筆者の人生らしいです。
院長から開口一番に言われたのが「あなたが適応障害だと知っていれば雇わなかった!!なんで面接のときに言わなかったの!!」という一方的な逆ギレでした。
これ自体が異常事態です。その後も「適応障害なんか、無責任な人間がなるものよ!!周りの人間がどれだけ迷惑しているか、少しは自覚しなさい!!」とか「周りの人間がどれだけあなたをフォローしていると思ってるの!!わかってるの!?」などなどの罵詈雑言。
開いた口が塞がらない。とは将にこのことで、面談をしているその時間は余りにも呆気にとられて何も反論も出来なければ、あまりにも強い口調で言われたので、心が無と化していました。
そして〆の発言として「こんなんだから、試用期間は3カ月延長する!!」ということでした。
この発言はどのように解釈すべきなのか??
さて、この院長による精神疾患差別発言の数々ですが、まぁ医師という免許/職業を業にしている者がしていい発言ではないのは周知の事と思います。
こんな間違った発言は精神科ド素人の当事者でさえ、少し勉強すれば分かることです。
ではこのような事例は、社会的にはどのように捉われるのでしょうか?
そう。「パワーハラスメント」です。
パワーハラスメントの定義
職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
あかるい職場応援団 厚生労働省
さて、労働に関する法律やら環境を整備するのは厚生労働省のお仕事です。
なので、ハラスメント関連も厚生労働省が管轄になります。
パワーハラスメントに関しての定義もしっかりと厚生労働省が定義してくれていますね。
これはいい事です。
別に弁護士に相談したわけではありませんが、この3つの要件全てを院長の発言は満たしていると思われます。
下記のページでは、過去の判例を検索することも可能なので、興味がある方は検索してみてもいいかもしれません。
あかるい職場応援団ー職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイトー
試用期間の延長
そもそも、労働基準法では試用期間というのは雇用から14日と決められています(労働基準法第21条)。もっと厳密に述べるならば、試用期間という期間は法律上存在しません。但し、14日以内であれば即刻解雇が可能だよ。というだけなのです。
第二十一条 前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第一号に該当する者が一箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第二号若しくは第三号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。
一 日日雇い入れられる者
二 二箇月以内の期間を定めて使用される者
三 季節的業務に四箇月以内の期間を定めて使用される者
四 試の使用期間中の者
また、試用期間の延長というのも原則不可能です。延長を行うには
①試用期間を延長する可能性がある場合には、就業規則にその旨を記載しておく。
②試用期間を延長する場合には、文書で本人の同意を得る
というポイントを押さえておく必要があります。
また、延長をするに至る合理的な理由も必要になります。以下がその例になります。
就業規則に、試用期間を延長できる旨の規定を設けていれば、延長することは可能です。
ただし、試用期間を延長するためには、延長するべきである客観的かつ合理的な理由が必要です。
具体的には、次のようなケースでは延長が認められると考えられます。
試用期間を設けるメリットと解雇や延長について ー弁護士法人ALGー
- 無断欠勤などを繰り返している場合
- 面接等において労働者が申告した能力が欠けている場合
- 協調性に欠けており、他の労働者と対立を繰り返す場合
- 経歴を詐称していた場合
病歴に告知義務はあるか
今回、メインテーマの一つとして院長が挙げてきたのが「病歴の告知義務」についてです。
さて、これに関してどこまでを就職面接時に告知する義務があるのでしょうか。
正解は「告知義務はない」です。
例えば、血液透析を受けていれば週3回通院が必要なため、職場には特別な配慮が必要となり告知が必要となることが容易に想像できます。その他にも、脳卒中による後遺症などで穿刺に支障をきたすなどの場合もそうです。
しかし、筆者の場合は「適応障害(抑うつorうつ状態)の寛解期」であり、十分コントロールが利いている状態下にあります。
その様な状態であれば、告知義務はないものと言えます。
勤務態度に関しても、無断欠勤・早退・遅刻は一度もしておらず、何ら問題はありません。
職場の輪を乱すような行為も行っておらず(逆に被害に遭っている)、経歴も何も詐称はしていません。
このような状況で試用期間の延長は認められるのか?
試用期間の延長に際しては、「試用期間延長通知書」を作成し、双方同意の上でサインをする必要があります。とは上で解説した通りです。
また、雇用条件通知書兼内定通知書、就業規則にも試用期間延長について、どのような場合にどのような手続きで延長するかの記載が必要になります。
ですが、今回は異例尽くしだったためか、このような延長通知書は作られていません。事務側も想定外なのです。
また、改訂されてからでは証拠が作れないと思ったので、就業規則を調べたのですが、試用期間の延長については何一つ言及されていません。想定されていないのです。
また、それに伴い3カ月間の試用期間延長という期間の設定も、何も根拠がない、薄弱なものであることが判明したのです。つまりは鶴の一声。院長の一存で勝手に設定されたという事です。
ここまで読んでいただいた読者の方は、すでに結論は出てるのではないでしょうか。
そう。違法状態、判例違反状態なのです。
不同意の中での試用期間の延長は認められません。
試用期間の延長による弊害
また、試用期間が3カ月から6カ月に伸びたことにより、筆者の職場での安定感は消失し、不安感が増したこと、ゴールが遠のいた事でインシデントは爆発的に増えました。
インシデントが爆発的に増えたことで、必然的に部署内での人事評価は下がります。
また、お局からの暴言、叱責の回数も増えました。
これらを鑑みても、十分民事訴訟での損害賠償請求は可能ではないか。となります。
これからの選択肢
さて、試用期間が3カ月から半年に延長になり、不採用寄りの保留となったことで、筆者の弊社での立場は随分と怪しくなりました。
新年が明けた1月15日でその試用期間半年が満了することになります。その後、恐らく2度目の院長面談がセッティングされることでしょう。
そこで不採用を言い渡されるのか、はたまた本採用となるのかは未だ不透明です。
もし不採用を言い渡された場合には、勿論代理人を立てた上での法廷闘争となります。
色々と面倒なことにならないよう祈るばかりです。
あとがき
さてさて、今回は職場の愚痴半分、法律の話半分で記事を執筆してみました。
まぁがっつり法律の話ではないので、本職の方々のサイトには負けますが、素人なりにまとめてみたところです(主観ばっちばちですが)。
筆者の23年12月現在の状況はこんななので、すでにクビになってもいいようにと情報収集(就活)は始めている次第です。
もしまた何か進展があれば、追記なり別記事なりを執筆していけたらと思っています。
ではでは今回はこの辺で。
まったね~~
コメント
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律
雇用管理上の措置等)
第三十条の二 事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
2 事業主は、労働者が前項の相談を行つたこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
に違反では?
つまりはというか、大違反ですね。
院長という優越的地位の濫用に他ならないので、がっつり違反だと思われます。
本当はこれだけで弁護士に相談案件なんですけどね。